りこぴた読書感想文と日記

読書感想文、日記、世の中の気になったニュースなど。

湊かなえ(著)「未来」双葉文庫,株式会社双葉社,2021. 未来を読んで

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 子どもの貧困問題やいじめ、家族の問題について書かれていて、凄惨でいたたまれなかった。家庭内暴力、虐待、ヤングケアラーの問題など、心がものすごく重苦しくなったのは、これが現実の一部分でしかないからである。読んでいてとても落ち込んで、イヤミスの名手、湊かなえが素晴らしくよく書いているのを感じる。

はじめは微笑ましく読みやすいが、段々辛くなっていく。子どもの弱さ、せつなさ、悲しさ、やるせなさや、登場人物の心理描写が非常によく書かれている。作中に出てくる「ハイテンション」という言葉とエピソードに胸中穏やかではいられず、心の中で激昂した。悲しすぎる。

物語は大げさではなく、繰り返すが現実の一部分でしかない。あとがきによると子どもの貧困は40人のクラスに5,6人もいる。改めて多さに衝撃を受けた。まわりを見渡せばとても身近なことだ。

私の住む奈良県の隣、大阪は子どもの貧困が深刻だ。NPO子ども食堂のホームページや学習ボランティアのページなどを見たことがあるが、子ども食堂はどこも赤字かよくてトントンである。家でご飯が食べられず、1食、2食でも、家庭で栄養のあるものを食べられているのかいないのか。子ども食堂は最後の砦である。それなのに、巷では余った食べ物が捨てられている現実もあり、私は本当にどうにか循環しないかと思っている。

私は子どもがいないが、小学生の頃から保育所などでボランティアをしてきて、学生時代に保育や福祉の勉強をしていたのもあってとても憂慮している。関わりたいが、今は家庭の都合で関われないので、せめて理解を深めようと思う。『未来』は楽しくは読めなかったが、やはり読んでよかった。

 

さて、話は変わってこども家庭庁について考えたのだが。こども庁から「こどもの基本は家庭」ということで名称を変更したけれど、私は家庭以外に居る子どもも多いし、こども庁の方がしっくりくると思う。子ども全員が大切というメッセージが個人的にものすごく欲しい。もう少し「子どもは社会で育てる」という空気が醸成されてもいいと思うし。

『未来』のように家庭が危機に瀕している、あるいは壊れている場合、家庭が大事だけどもうどうしようもない場合は、児童相談所児童養護施設児童自立支援施設など、施設や社会で育てないと子どもは非常に生きづらい。『未来』を読んだ今、非常にそのことを意識する。

貧困状態の子どもは全国で320万人もいて、大阪の子どもの貧困率は令和元年12月で13.9%なので、計算すると約23万人である。この子たちが全員、生きる希望と意欲を持って一生懸命生きられますように!

 

最後に、また話は変わるが、先ほど見つけた衝撃的な言葉「子育て罰」について。「子育て罰」とは、社会が親に対してあまりにも大きな責任と役割を要求しているため、親が子どもを育てる過程を社会的な罰のように感じている、という言葉である。恐ろしい。こんな言葉が囁かれているなんて、少子化が進むわけだ。これはとても吃驚してしまって衝動的にここにメモしてしまった。もうちょっと子どもを社会で育てても良いではないか。保育士などのエッセンシャルワーカーの給料が上がって本当に良かったと思う。社会で子育ての空気が私はもっともっと醸成されればいいと思う。

私の思う奈良県の良いところ

しかまろくんの自作の絵

しかまろくんbyりこぴた

奈良県章byりこぴた

奈良県章byりこぴた

緑が綺麗。そして何よりユニークなのは奈良公園があって野生の鹿が居るところである。

週に1度は鹿と緑を見に通っている。緑は美しくて和んで、鹿は格好良くて可愛くて、春日大社東大寺などもあり、最高の場所だ。奥の方はまるでジブリ映画の世界のようだ。大好きだ。何度行っても飽きない。初めて野生の鹿が道路を悠々と渡っているのを見た時に感動した。人間は鹿を待ち、鹿のペースに合わせる。その状況が面白くて仕方がなかった。大興奮したのを覚えている。

鹿は春と秋に赤ちゃんが生まれる。とても小さくて華奢な可愛い子鹿が多くみられて感激した。大きくなると雄は角が生えてきて、ある程度立派になってくると人間に切られてしまう。切られた直後の鹿の角を見たが、角の芯が赤くなっていて痛々しかった。角はカルシウムが蓄積した物なので痛覚は無いけれども、色が。ただし、伸びている最中は表面を覆う「皮膚」があり、これが傷つくと痛みがあるそうだ(ヤフー知恵袋より)。ちなみに切られた角は漢方や工芸品になる。

 また、奈良県の良いところといえば、県民性が穏やかで大阪にも京都にも行きやすいところだと思う。緑が多くて鹿もいて奈良公園もあって、交通の便が良いので最高だと思う。

 奈良県は昔都があった歴史ある県だ。寺院仏閣のことも勉強してもっと興味を持ちたいと思う。

 

 

奈良県

 

紀伊半島内陸部にあり、令制国大和国の領域を占め、北西部の盆地部を除けば険しい山々がそびえており、人口の偏りがかなり大きい。都道府県面積は全国で8番目に狭く内陸8県では最も狭い。

  • 面積   :3,690.94km
  • 総人口  :1,312,683人(推計人口、2021年12月1日)
  • 人口密度 :356人/km
  • 県の木  :スギ
  • 県の花  :ナラヤエザクラ
  • 県の鳥  :コマドリ
  • 県のさかな:キンギョ、アユ、アマゴ
  • 県の歌  :奈良県民の歌

 

紀伊半島中央の内陸部に位置し、北西部に奈良盆地、北東部に大和高原、それ以外は大台ケ原や近畿地方最高峰の八経ヶ岳(八剣山)といった紀伊山地が広がる。

奈良県は緑がとても綺麗な県だ。山も畑も多い。全国の平均的な気温で雨は比較的少ない。県内は典型的な盆地気候であり、夏場はかなり蒸し暑い。

歴史ある土地柄で古墳やお寺が多い。紀元3世紀から4世紀頃の古墳時代前期に、畿内の豪族が力を強めて周辺地域に覇を唱えた。その後長い年月と代替わりを経て、他地域との交流・攻防や大陸との交流の末、現在の日本地域の大半を支配する大勢力となった。これがヤマト王権と呼ばれている。

ヤマト王権は現在の皇室の祖であるとされ、宮内庁比定の天皇陵などが集まっている。また邪馬台国と同一視する説、北九州にあった邪馬台国の子孫が移住して新たに建国した国であるという説、神武天皇の東遷説などがある。

ヤマト王権成立以来8世紀末まで、この地域に大和朝廷の累代の天皇の宮があり、都が置かれた。大和時代から飛鳥時代にかけては、桜井市橿原市高市郡に宮が置かれていることが多かった(飛鳥京跡)。特に藤原京は、持統天皇4年(690年)に着工され、持統天皇8年(694年)に完成した条坊制による中国風都城として知られる。その後、和銅3年(710年)に平城京遷都が行われた(奈良時代の始まり)。

平城京では遣唐使を通して唐など諸外国との文化交流が行われた。諸外国から輸入した宝物を一同に保管している正倉院は、事実上のシルクロードの終着点である。また、聖武天皇鎮護国家政策により、興福寺など仏教勢力が力を強め、天平勝宝4年(752年)には東大寺大仏開眼会が行われた。

 

 

ウィキペディア参照。

アパレル。世界発「衣料廃棄禁止令」フランス

f:id:rikopitatan:20220116171510j:plain世界発の「衣料廃棄禁止令」がアパレルに迫る変革

フランスで1月から売れ残り品の廃棄が禁止に

https://toyokeizai.net/articles/-/502810

 

禁止令は、フランスで2020年2月に公布された循環経済に関する法律(loi anti-gaspillage pour une économie circulaire)で定められたもの。同法は、脱プラスチックや、廃棄される製品の再利用を促し、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会構造を是正することを目的に制定。売れ残った新品の衣類を、企業が焼却や埋め立てによって廃棄することを禁止する。

その中で衣類や家電については2022年1月から、売れ残り品をリサイクルや寄付によって処理することを義務付ける。

 

 日本でも波及を始めており、アパレルが変わっていきそうな予感がする。

「洋服を長く着る」という洋服の問題は温暖化改善の為にとても良い。どんどんやっていくべきだろう。けれど、経済のこと、中国やインドやベトナムなどをはじめとした生産国はどうなってしまうのだろうかと考えるとそら恐ろしい。

しかし、国連で決まったSDGsなどの流れはどんどん色々なものを巻き込んで押し流していくのだろう。変化がくる。大丈夫かな、と心配になる。服の値段が高くなるのかな。耐えられるかな。世界的に、「良いものを長く着る」がスタンダードになりつつある。それは良いことだけど。

私は、衣料品は綿やラムや毛を選ぶようにしている。昨今はコートまで化繊が多く、タグを見てかなり吟味が必要だけれど、パチパチしないし暖かいし質がいいし良いことは多い。セーターは化繊の物より少し高いけれど、化繊に4000円は出せないし、もったいなくて。今持っている衣料品は長く付き合うことになるだろう。大事に着よう。痩せて昔の服も着られたらいい。

日本では医療廃棄禁止令を世界に先駆けて出す、なんてことは起こらないなあ。さすが外国だ。日本は外圧でようやく動く。日本らしい。フランス思いきったな。カッコいい。

辻村深月(著)「かがみの孤城 上下」ポプラ文庫,ポプラ社,2021. かがみの孤城を読んで

f:id:rikopitatan:20220116151901j:plainf:id:rikopitatan:20220116151922j:plain 不登校、似た環境の中学生7人が部屋の鏡を潜り抜けて、鏡の孤城に通うようになるファンタジー小説。上巻の途中からどんどん面白くなって、ラストまで集中して読み切った。子どもの心理描写がとても上手で違和感なく物語に入り込むことができた。子どもでも親になってからでも読んだら楽しめるのではないだろうか。読後感が凄まじく良い小説だった。

 登場人物の子ども7人が生き生きと描かれていて存在感があった。それぞれに事情があり、バックボーンがよく書かれていて、7人のよき理解者になれたような気がした。7人に温かい気持ちが持てて応援してしまう。だから読んでいて胸が鋭く痛かった部分もあった。とても良い小説だ。2018年に本屋大賞を獲るだけあるというものだ。7人とも良くも悪くもしっかりと子どもで、辻村深月は子どもを描くのがとても上手いと思った。ネタバレしてしまうので7人それぞれの事情は書かないが、本当にみんな明るく幸せに生きていってほしい。関わる大人もよく書かれていた。

 上巻の後半から物語はどんどん盛り上がっていく。勢いがあって面白い。下巻の伏線回収が鮮やかで見事だった。「ああ、そうだったのか!」がいっぱいあって素晴らしいアハ体験をしたようだ。後半は一気に読んでしまった。今一番面白かった小説である。

かがみの孤城」程の素晴らしい読後感の小説を探しているがなかなか見つからない。また出会えるだろうか。切望している。

CITIZEN xC(クロスシー)が世界の女子差別を無くそうとしてるんです。

f:id:rikopitatan:20220116062017j:plainシチズンのクロスシーが「Because I am a Girl」キャンペーンに賛同し、売上の一部をプラン・インターナショナルに寄付していることを、この前のクリスマスに知った。素晴らしい。とても誇らしい。

 

CITIZEN xCの「Because I am a Girl」キャンペーンについて

https://citizen.jp/brand/xc/girl/index.html

 

国際NGOプラン・インターナショナルのホームページ

https://www.plan-international.jp/

 

「Because I am a Girl」とは、国際NGOプラン・インターナショナルが展開する、 ”世界の女の子たちが「生きていく力」を身に付けること”を目指すグローバルキャンペーンである。途上国の女子は、「女の子であること」で社会の底辺に置かれ、とても困難な状況にある。しかし、彼女たちに学ぶ機会をもたらすことが、彼女たち自身だけでなく、家族や地域、 国にとっても、貧困削減につながることが証明されている。

ホームページの冒頭に書かれていることの概要が上記である。関心が湧いたらぜひ見てみてほしい。

私も親に「女だから大学進学はさせない。」などと勉強をはじめいろいろと邪魔されてきたので、女子であることの不遇には敏感である。そんなことはあってはならない。許されないことだ。怒りが湧く。

日本でも女子、女性差別はまだ根強い。憲法第14条(法の下の平等)で「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と、個人の尊厳と両性の本質的平等を法における最高の価値として位置づけ、男女の性による不合理な差別を一切禁止している。繰り返す。一切禁止されているのだ。違反する人間はみんなひっ捕らえられてしまえばよい。

男女雇用機会均等法もあるが、成立時から努力義務という性格を持ち、1996年の時点ではこれに違反しての罰則がない。努力目標なんて皆守らない。要検討だろう。

国会議員に占める女性の割合なども,平成30年2月現在,衆議院10.1%(47人),参議院20.7%(50人)となっている。

国家公務員の女性の割合を役職段階別に見ても,平成29年は,係長相当職(本省)24.2%,地方機関課長・本省課長補佐相当職10.1%,本省課室長相当職4.4%,指定職相当3.8%となっている。

国の審議会等における女性委員の割合は,平成29年9月30日現在37.4%となり,調査開始以来最高値となった。

段々に増えてきているとはいえ、ああ、少ない。法律で罰則を付ければ改善されると思うがなあ。

シチズンのクロスシーのプラン・インターナショナルへの寄付を、私は俄然応援してしまうのである。

ドン・オーバードーファー、ロバート・カーリン(著)菱木 一美(翻訳)「第三版 二つのコリア 国際政治の中の朝鮮半島」共同通信社,2015. 二つのコリアを読んで

f:id:rikopitatan:20220116062124j:plain これを読むまで私は東アジアの近代歴史、朝鮮半島のことを知らな過ぎた。もっと理解を深めるべきである。

 朝鮮半島は未だ戦争中である。停戦であり戦争は終わっていない。私は庶民の間ではもっと良い感情を持っているのかと思っていたが、そうではなく、凄惨だ。戦争をさせられている。している。とても酷い。

 民間で友好の草の根運動をしている人たちもいるが、怒りと憎しみと不安や恐れ、ネガティブの中で良いことが良く見えなくなりそうで怖い。

 無知はダメ!もっと関心を持たないとダメ! 

学生時代けっこうまじめに授業を受けていたが、現代史はテスト範囲に含まれず授業では「読んでおいてください。」だけで、教科書を読んだだけだった。日本の教育は現代史もしっかりやるべきである。だって私は授業をまじめに受けていたから。授業料は払っている。

 都合の悪いことは教えない、これが一般的な教育の、一般的な人間の悪いところだ。自分から知ろうとしなければ、国も他人も教えてはくれない。本を読まなければならない。思いをはせて、読み返して、掘り下げてゆくのだ。勉強していきたいと思う。

そして、世界の中の日本人である私を意識していきたいと思う。日本人は、私個人は、外国の人々からはどう見えているのか。彼らは日本人に対してどう思っているのか。

この本には、朝鮮戦争以降、朝鮮、韓国の歴代の大統領や官僚や出来事が時系列で出てくる。アメリカ、中国、ロシア、日本のトップと官僚も。知らないことが多く、とても多くを知ることができた。

現代史はがんじがらめである。がんじがらめなところをなんとかしようとしている。良書を読んだりニュースを見たりして見ていくしかない。早く戦争が終わることを願う。

ノーベル平和賞ってなんだっけ。私は聡明になりたい。知ることが大事、どん欲に知ること。いろいろな情報やいろいろな面を知ること、裏も表も知ること。見ていくしかない。