りこぴた読書感想文と日記

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辻村深月(著)「かがみの孤城 上下」ポプラ文庫,ポプラ社,2021. かがみの孤城を読んで

f:id:rikopitatan:20220116151901j:plainf:id:rikopitatan:20220116151922j:plain 不登校、似た環境の中学生7人が部屋の鏡を潜り抜けて、鏡の孤城に通うようになるファンタジー小説。上巻の途中からどんどん面白くなって、ラストまで集中して読み切った。子どもの心理描写がとても上手で違和感なく物語に入り込むことができた。子どもでも親になってからでも読んだら楽しめるのではないだろうか。読後感が凄まじく良い小説だった。

 登場人物の子ども7人が生き生きと描かれていて存在感があった。それぞれに事情があり、バックボーンがよく書かれていて、7人のよき理解者になれたような気がした。7人に温かい気持ちが持てて応援してしまう。だから読んでいて胸が鋭く痛かった部分もあった。とても良い小説だ。2018年に本屋大賞を獲るだけあるというものだ。7人とも良くも悪くもしっかりと子どもで、辻村深月は子どもを描くのがとても上手いと思った。ネタバレしてしまうので7人それぞれの事情は書かないが、本当にみんな明るく幸せに生きていってほしい。関わる大人もよく書かれていた。

 上巻の後半から物語はどんどん盛り上がっていく。勢いがあって面白い。下巻の伏線回収が鮮やかで見事だった。「ああ、そうだったのか!」がいっぱいあって素晴らしいアハ体験をしたようだ。後半は一気に読んでしまった。今一番面白かった小説である。

かがみの孤城」程の素晴らしい読後感の小説を探しているがなかなか見つからない。また出会えるだろうか。切望している。